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グラスの雫№6 ブラックニッカその1

「シーバスを、ダブルで…。ロックで」
 背広を着たその男が来られたのは1995年。阪神淡路大震災直後である。
 バーで語る人は多い。何がうまい、どこそこのバーのカクテルは絶品、あのモルト…云々。
「バランタインを、ダブルで…」
 スコッチが好きなのか、目の前のスコッチがたまたま目に付いただけなのか。
 ロックを2杯、15分程で飲みほされた。男が発した言葉はそれだけである。バーの一般的な語らいがない。語らなくとも何かしゃべりたそうな雰囲気を出される方もおられる。が、その男、その気配すらなかった。深く一礼。お勘定を促しているのがわかる。
 阪急西宮北口の東出口を出てすぐの所に私のバーはあった。路面にあるし、入口の窓は透明なガラス。中が見えるので、安心できるのであろうか。色々な方が気楽に入って来られる。引き続き来られる方もおられるが、一度切りの方のほうが多かった。
 男の飲む早さと杯数の少なさに、きっとひやかしのお客さまだと思っていた。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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