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グラスの雫№5 真鶴その26

「お前が万膳酒造を復活させるならいくらでも力を貸してやる」
 万膳利弘氏のおじき、宿里利幸氏が静かに、しかし力強く語ったという。
 宿里利幸氏は杜氏歴50年を超える大ベテラン。ある、有名な焼酎蔵が破格の条件、高額な給料で迎えようとしても軽く断ってしまう。信念にあわない事は興味がない、頑固一徹の大杜氏であった。
「新しく立ち上げる以上は、昔からの手造りで…」
 万膳利弘氏と宿里利幸氏は、徹底的に手造りにこだわった。
 麹室は日本酒に負けない設備。しかし、温度管理を近代的な機械にさせない。あくまで人の感と経験がものをいう、言い換えれば油断をすると簡単に失敗をしてしまう手作業だけの麹室を造った。日本刀の上を素足で歩くような緊張感を伴う麹造りを目指す。室の材質は檜。麹造りに際しては、麹蓋を定期的に場所の入れ替えをしなければならない。置く場所によって温度差があるためだ。自然の檜の香り、木の呼吸と人の手作業で麹が大切に育てられていく。
「麹が命」
 言うは易しく行いは難い。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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