AX

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

グラスの雫№3 梅星その7

 実は、酒屋に行ってジュースを買うのが目的ではない。ジュースを買いに行くと言うのは言い訳。酒屋に古いスコッチが売れ残っていれば…、という淡い期待を持っていた。大震災があった神戸近辺や大都会の酒屋では、古いスコッチを見つけるのは不可能に近い。が、田舎の大きな酒屋には珍しく、また、価値のある洋酒が忘れられたように棚に並んでいることがある。それに期待した。
「今のと比べると、昔、瓶詰めされたスコッチは味がしっかりして濃いから…」
 三宮のアルチューデランボーのマスター、市野氏が口癖のように言う。古いスコッチのボトルは確かに濃いし深い。
 私がその違いを最も感じたのはバランタインの30年。そのバランタインの30年は30年前に購入したものだったらしい。ややこしいが、蒸留されたのは60年以上前という事になる。
 「あ、見つかった。泉さんが絶対持って帰るから隠そうと思っていたのに…」
 カウンターの隅に置いてあったバランタインの30年をぼんやり見ていると千春が大声を出した。 
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。