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小学校の思い出外伝 卵石

「この子はなんでも拾ってくる」
 母の口癖でした。小学校1年生かそれより前か、私は石の卵を拾ってきました。表面がつるつるで石でできているので当然重さもあります。
 昭和30年代は小さな養鶏場もそこかしこにあり、その卵石もそこで使われていたんだと思います。鶏は卵を産むと自分が生んだ卵をつついて割ってしまうらしい。そこで石の卵を与えると、つついても割れません。鶏は卵は堅くて割れないものだと学習するらしいです。当時の養鶏場は今のように卵を産むと溝に出てくるようにはなっていなかったのでしょう。放し飼いに近い状態で卵を産ませていたのだと思います。私はその卵石を大切に持っていました。宝物状態です。
 ある日、母がその卵石を見つけました。どうしたのかとたずねられた私は拾ってきたと答えました。
「捨ててきなさい。何でもかんでも物を拾ってくるのは良くありません」
 私は泣く泣く川に捨てました。
「捨てた?」
「はい。そこの川に…」
「川に捨ててまた拾ってくるつもりでしょ」
「……」
 そうか、そんな方法があったのか。一旦捨てて頃合いを見て拾ってくる。
「いいえ。そんなつもりは…」
 言いつつも後で拾ってこようとわくわくしていたのを覚えています。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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