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バー物語(フィクション)№257

 逆瀬川のお寺でおこなわれたお葬式は目立ちたがり屋さんの村上先生にしては地味だった。それだけにこのお葬式がいかに突然だったか理解できる。仮に村上先生が死期をさとっていたらいろいろな仕掛けをしていたに違いない。一生に一度のお葬式、色々なパフォーマンスが考えられるだろう。帰り道に中藪啓示に会った。声をかけた。倒れた日の数時間前に会っていた事、マンションまで送った事、助けられたのではと悔しい思いをしている事…。
 「そんなこと言ってたらきりがない…、助けれたか助けれなかったか、そんなことはわからない。くよくよしても始まらない」
 啓示の言う事は正論なんだが。
 「啓示さんが個展を遺作展なんて言うから…」
 「ふぉふぉふぉ。本当に遺作展になってしまったな」
 「…………」
 初めて来ていただいた時のことを思い出す。『よろしいかっ』大きな声だったな。2滴半のジンビター。『ボクが芸術なんですっ』ああ、やっぱり悔しい。家まで送り届ければよかった。国内より世界で認められた芸術家。2度と出会えない個性。救えたかもしれないのに…。身体の芯に鉛のような重い後悔が残ってしまった。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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