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バー物語(フィクション)№255

 村上先生のご自宅は西宮北口駅の南の高層マンション。数回お送りしたことがあった。私の車はホンダの軽ワゴン。トラックといっても良い。とても人を乗せれる代物ではないのだが…。
 「はい。村上先生、着きましたよ」
 私は運転席から降りて助手席のドアを開けた。まっちゃんも降りてきた。
 「ああ、泉さん。ありがとう。本当にありがとう」
 背の高い村上先生は動かずにこちらをじっと見続けていた。
 「おやすみなさい」
 私は家に帰るように促がした。
 いきなり抱きつかれた。
 「ふふふ。そんなに帰りたくないんですか」
 私は笑ってしまった。瞬間唇を奪われた。
 「…………」
 「では…」
 村上先生は一言挨拶をしてきびすを返した。ゆっくりゆっくり歩き出した。細くてゆらゆらしている身体がマンションの中に消えていった。男にキスなどされたことがなかった。
 「マスターは相変わらず男にもてますね」
 まっちゃんがニタニタ笑っている。
 村上先生がマンションに消えても私はしばらくボーっと立っていた。気持ちの悪さとは違う何か別の物を感じていた。胸騒ぎ…。いや、大丈夫だろう。
 「まっちゃん、お待たせ」
 ブルンブルン。550ccの小さなエンジン音が深夜のマンションに響き渡った。
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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