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バー物語(フィクション)№244

 明けて1996年、1月、震災から一年経って再開発の動きも活発になってきた。西宮北口駅北東地区震災復興第二種市街地再開発事業という長ったらしい名前。主催者は住宅都市整備公団。私はいつの間にか住民側の再開発実行委員会の副会長になっていた。第二種というのは強制執行権をもつ。再開発に反対するものは切り捨てるし立ち退きを拒む建物は取り壊すぞという迫力を持つ。トップウインのように震災から細々と営業している店をどこに移転するかでもめたり、再開発事業そのものに反対するものもいる。立ち退き料目当てで新しく店を興すものもいた。公団はまずは立ち退きの書類を整理したいらしい。
 「マスター、ビルがこの辺に建って立ち退き料いっぱいもらえるの?」 
 多くの人に聞かれた。一銭も入らない。ただ、新しい店舗に移るための引越し費用は出る。私の店は又貸しの又貸しの又貸しの又貸し。3坪の立ち退き料を権利者でそれぞれ割っていくと私の手元にはほとんど残らない。早々と立ち退き料権利放棄の書類に判をついた。
 このような状況の時に人間はイライラがつのるらしい。事件のきっかけはまたサムが作った。
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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