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バー物語(フィクション)№238

 ラガヴリンの12年。
 「これはめずらしい。いただきます」
 りんちゃんが喜んでいる。りんちゃんはこのボトルが珍しいのを知っている。むむむ。秘かに勉強しているな。さて、私は何を飲むべきか。
 後藤さんは私のオーダーを待っている。
 「井上さんと同じのを…」
 井上さんが地震前に三宮で経営していた「吟醸」。そこでいただいた2000円前後の日本酒には感動があった。高価なシングルモルトにその感動があるのか知りたかった。
 「…どんなん?…」
 りんちゃんが私の反応を知りたがっている。黙ってりんちゃんの前にグラスをまわした。
 「……」
 りんちゃんは淡い琥珀の液体を口に含んで目を瞑って動かない。
 「どう?」
 今度は私がりんちゃんに訊ねた。
 「うううん、むむむ、ううううん」
 りんちゃんが意味不明の言葉を発した。目を瞑ったまま。
 私はわからなかった、心が動かなかった。井上さんにきいてみることにした。
 「うまいですね。素晴らしい味わいです」
 井上さんの返答に私はそんなものかと思うしかなかった。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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