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バー物語(フィクション)№236

 私の店もたった3坪のちっぽけなバーだが、ここのユニークさには負けてしまう。機械室でバーなんて誰が発想するだろうか。
 「酒なんてね、飲まないとわかんないですよ。結局。シングルモルトもいっしょいっしょ」
 市野さんの声は甲高い。張りがある。言ってる内容は鼎のマスターといっしょだ。
 「ハイランド、スペイサイド、アイラ、ローランド…、何からでもいいけど…、これなんか面白いですよ」
 それは、ラベルに蒸留所の名前が書いていない濃い緑色のボトルだった。
 「会員だけの配付です。あたりはずれがありますが」
 ザ・スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティという組織らしい。マニアへというのではなく初心者の私にどうかと言っている。
 「このあたりからモルトの原酒を飲んでいかれたら…」
 「わかりました。飲んで銘柄がわかるようになればいいですか?」
 「まー、それくらいがわかったほうが楽しいでしょうね」
 銘柄以外に何がわかるというのだろうか。想像がつかない。
 「他に飲んでわかることがあるんですか?」
 「私は作られた年数、寝かされた年数、それに…」
 めずらしく少し間があった。
 「それに最近ではそのウイスキーの減り具合までわかります」
 うっそー。ほんまかいな。それがわかれば神がかりだ。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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