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バー物語(フィクション)№225

 次の日、12時を過ぎても杉浦さんも長尾さんも来なかった。サムは10時からトップウインに来て剣菱を飲んでいる。
 「マスター、嘘ついたな。来ないやんけ」
 11時過ぎてからずっとブツブツ。サムは文句を言いながら酒を旨そうに飲んでいる。クレームをつけるのを喜びとする人種がある。サムはその類か。しかし。サムが不愉快なのもよくわかる。
 「おかしいなー。きっちり約束したし、来れなかったら連絡があってもよさそうなんですが…」
 「んにゃ。やっぱりマスターはぐるになって俺を潰そうとしたんや。わかったわ。ふん。青丸先生の知り合いと思って油断した俺がアホやったわ」
 言い訳できない。言い訳できないまま2時になった。
 「おう、トップの、どう落とし前つける」
 サムはふらふらになりながら席を立った。私はだまるしかない。飲み代をタダにして勘弁してもらった。この2人は最初に神亀の大吟醸で約束を破り、2回目は野田さんと下屋敷村さんとの約束も反故にした。今回で3回目か。さて、どうする。私は2回の失敗は許してきた。私に対しても他人に対しても。3回目。明日行動をおこそう。怒りを抑えながら洗い物に手をつけた。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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