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バー物語(フィクション)№204

 リトル・オードリーには誰もいなかった。中山君がグラスを磨いている。
 「どうでした?今日、吟醸へ行かれたんですよね」
 「いい店だったよ。でも少しハプニングがあって…。ここは私のおごり。中山君、皆にジントニックを…」
 「ふぉふぉふぉ。少しハプニングだって。ねぇ。まっちゃん。かなりのトラブルだよね」
 「まいったまいった。もう、勘弁してほしいね」
 まっちゃんがガラムに火をつけてうまそうに煙を噴き出した。
 「ホントにごめん。で…」
 「あの、男、トイレに連れて行ったんよ」
 「そうそう、花屋さん、あの男は近所でお花屋さんをしてるんだって。お花に喧嘩。似合わねぇ。啓示さんがトイレで花屋さんを泣かしてた」
 トイレで泣かす?また啓示お得意の泣かし作戦か。
 「顔がね。マスターのせいで男の顔が汚れてしまった。拭いてやろうと思って。しゃべりながら汚れを落としてやった。この長田でドツキアイしてどうすんの。被災地のど真ん中。皆、復興に向けてがんばってるのに。あんたも色々あったんやろ。酒でも飲まんとやってられないわな。と…」
 「と?」
 私、中山君が同時に身を乗り出した。
 「オイオイ泣き出してね。涙も拭いてやった。あー、これで帰れると思ってトイレから二人で出ると…」
 「出ると?」
 また、私と中山君。

 
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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