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バー物語(フィクション)№202

 自動改札の切符がなかなか入らない。啓示とまっちゃんはすでに構内だ。よく見ると何かが詰まっている。啓示が改札の機械に何かいたずらをしたようだ。ちっ。隣の機械に移ろうとした時に後ろから大きな声が聞こえた。
 「おら。はよせんかい。グズ」
 私はゆっくりふりむいた。でかい男。180はある。しかたない。言い訳するのももどかしく隣の自動改札機を使って入った。
 「ぼけが。カスが」
 男も構内に入ってまだこちらに向かってわめいていた。普段の私なら無視を決め込むのだが、運悪く吟醸の日本酒で気分が良すぎた。ラーメン屋で寝たのが悪かったのか、頭がぼやけていたのかもしれない。
 「うるさいなぁ。ほっとけや。おっさん」
 ああ、汚い言葉を吐いてしまった。普段は決して言わないセリフ。
 「あんだとぅ。だれがおっさんや。おおぉ」
 男はこちらに向かって近づいてきた。
 「ほな、おばはんかぁ」
 私は吉本新喜劇のつまらない冗句で反撃してしまった。とっさに男にえりをつかまれた。瞬間、身体が浮いたようになった。

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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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