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バー物語(フィクション)№201

 立ち飲みから椅子に座るとホッとする。緊張感がなくなったのか私はラーメンを少しすすってから寝てしまった。
足の異様な感覚に目が覚めた。子犬が私の足をぺろぺろなめている。私は子犬をにらみつけた。目と目が会って子犬はワンとほえた。
 「おお、マスター、お目覚めか」
 「なんで、この犬の周りにラーメンが落ちている?チャーシューも…」
 「ふぉふぉふぉ。大きな声で言えないけど…、ここのラーメンまずくって…、それで犬にやったら犬もあまり食べへんねん」
 啓示がまじめな顔で説明する。店の中に子犬が入り込むのも変だが、ここの店主が追い出さないのも不思議な気がする。ここで飼ってるのかもしれない。しかし、ラーメンがまずいというのはかわいそうだろう。お腹一杯飲み食いした後、まともな感覚で食べれるはずがない。
 「ああ、美味しかった。ごちそうさま」
 まっちゃんの胃袋は想像以上に広いらしい。ホルン奏者は食べるのが仕事と聞いたことがある。
 ラーメン屋を後にしてゆっくり歩く。酔っ払ってしまった。吟醸で飲むと決まって、ああ酔ったな、という感覚になれる。計倉さんは以前言っていた。
 『美味しい不味いで日本酒を判断してはいけません。この酒を飲み続けるとどういう酔い心地になるか、次の日の目覚めはどうなのか。私はまずそれを判断します』
 昔も今も吟醸で飲む酒はいい気持ちで酔えるなと思いながら地下鉄の改札に来た。
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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