AX

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

バー物語(フィクション)№199

 「うわ、4時だというのにほぼ満席。おっと立ち飲みでも満席っていうのかな」
 まっちゃんが独り言を言いながら入っていった。
 どこかで見たような顔ぶれもある。三宮の吟醸で会ったことのある人たち。他はほとんど土方というか人足というか。
 「井上さんこんにちは」
 我々は挨拶するも店が忙しすぎて井上さんは返事を返せない様子だった。
 菜っ葉の炊いたの、明石だこの足、厚揚げ、200円からのメニュー。目指すお酒はなんと1合300円。
 「やっすぅ」
 まっちゃんがうなる。
 「松の司もらおかな」
 と啓示。
 滋賀の松の司と奈良の梅乃宿の本醸造と純米酒が中心のラインナップ。私は、わたしは三宮にあった寝かした吟醸酒が欲しかったんだが…。メニューにはない。ううむ。考え込んだ。確かに安い。異常に安い。しかしこの日本酒だと長田まで遠征するのはどうか。手に入らない売っていない日本酒を飲むのはもう夢幻となってしまったのか。吟醸と名乗っている以上、昔の吟醸酒がないと寂しい…。と考えるのは贅沢かも。仕方ないな。私も松の司…。
 「泉さん、ありますよ」
 井上さんの声。顔を上げた。
 「数は少ないですが持って来てます。白瀑。飲まれます?」
 私が注文せずにメニューとにらめっこしているので察してくれた。寝かしているのありますよと。
 「いただきます。ありがとうございます」
 白瀑は計倉さんに最初にいただいた酒。縁があるのか。
 「少しひねが出てるかもしれません」
 井上さんはゆっくり注いでくれた。
 香り。なるほど、少しヒネ香があるようだ。味は、やっぱりうまい。こうでなくっちゃ。
 
スポンサーサイト

テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。