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バー物語(フィクション)№181

 店を出て彼とならんで歩くと意外に背が高い。170以上はある。最初、小さく見えたのは顔が小さいからか、座高が低いからか…、童顔だからか。
 クッキングは若いアンちゃんとよく働く女の子でまわしている。いつもお客さんでいっぱいだ。このアンちゃんもよくしゃべる。
 「えらっしゃい。お、めずらしい。お連れさんと一緒ですか。少し狭いですがその小さなテーブルでお願いします。ビール?はい。ビール2丁。今日はどうでした?うちはひまでひまで…」
 挨拶とビールの注文が同時。しかも私はビールがほしいとは一言も言っていない。が、悪い気はしない。ひまでひまで…、満席か。
 「お名前は?私は泉ですが…」
 「あれ、名前言ってなかったっけ。大野です」
 「大野さん、焼酎飲みます?」
 「何でも」
 ビールを半分も飲んでいないうちに百年の孤独をオーダーした。
 「あいよ。百年の孤独ロックで2丁ね。お食事は?あ、適当に?あいよ。お腹は?ほい。空いていらっしゃる。いい、イカが入ってます。焼きます?ほいよ」
 焼酎ロックも言ってないしイカがほしいとも言ってない。このような居酒屋に近い鉄板焼き屋さんはやっぱりぐいぐいと引っ張っていく迫力だな。このアンちゃんをみていると常に思ってしまう。
 「大野さん、この焼酎は?」
 「名前は聞いたことありますが。飲むのは初めてです」
 面白い。一緒のテーブルに着いたほうが大野さんはおとなしくなる。
 1995年当時の百年の孤独はまだうまかった。大野さんも気に入ったようだ。焼酎にウイスキーのタッチを取り入れた最初の焼酎。
 「もう一杯?」
 2杯目を飲みながら大野さんの顔をしみじみ見ていた。10年後に彼がTOP WINを引き継ぐなんて夢にも思わず。
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テーマ : 自作小説(二次創作)
ジャンル : 小説・文学

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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