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バー物語(フィクション)№176

 「こんなところで殴り合いして…すぐに警察来ますよ」
 「…」
 「杉浦さん、お家は?」
 「香露園」
 「香露園に確か浜がありましね。そこに行きましょう」
 「…」
 「私の車で行きしょうか」
 「…」
 急に無口になった杉浦さんを車の駐車場まで案内した。後ろから殴りかかられないように注意しながら。しかし、人を殴って気がすむ人種というのは理解に苦しむな。
 車の助手席に乗せても杉浦さんは沈黙していた。私もしゃべることも別にないのでだまっていた。車内には軽トラック特有の甲高いエンジン音だけが響いている。3月か。深夜の浜辺は冷えるだろう。
 「この車には毛布を積んでるんです。楽器を運ぶ時に必要なんですよ。どちらが倒れても毛布を掛けて去ることにしませんか。殴られて倒れるのはまだしも明け方は冷えるでしょう」
 風邪をひくのはいやだった。ま、いずれにしてもどちらかが一方的にやられることはあるまい。
 「…」
 相変わらず杉浦さんは黙っていた。
 
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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