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バー物語(フィクション)№173

 震災の後、人々は協力しあって復興に取り組んできた。あちらこちらで炊き出しがあったり救援物資の分配がされていた。困っている人たちに皆が力を貸すのは当たり前の空気が流れていた。が、カリズマイがラーメン屋に変わるのを余儀なくされたり、ちゃんこ屋さんがバーをしようとしたりで街に動きが出だすと皆の協調体制から自己中心の動きに変わってくる。ま、それが本来の人間の姿なんだろうが。じわじわと悲しみ、苦しみが西宮北口に染み出してくる。街がよどんでくる、すさんでくるというのだろうか。
 「ほんまにバカだね」
 喧嘩好き君の杉浦さんがとなりの大林さんにからんでいる。大林さんはマスコミ関係にお勤めらしい。年のころ60前くらいか。後数年で定年だという。
 「おお、俺のどこがバカなんだ」
 大林さんも売られた啖呵には必ず反応している。
 『ほっときゃいいのに』
 「バカは自分がバカであるのを自覚できないからバカなんだ。バーカ」
 「にゃにをぅ。この野郎」
 まただ。深夜に近くなるとこの手のたわいもない喧嘩が最近多い。うんざりする。杉浦さんのお連れの長尾さんはいつものように競馬新聞を見続けている。
 「二人ともやめなさい。私が眼鏡を取った理由がわかりますか」
 普段はこれで収まるのだが…。
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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