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バー物語(フィクション)№172

 リトル・オードリー、かわいいオードリー・ヘップバーンという意味かな。ちゃんこ屋さんのママ、私の店にわりと多くのお客様が来てくれているのでバーは儲かると勘違いしているのかもしれない。小さなバーは自分でやってはじめて利益が出る。わずか4ヶ月足らずの経験で言うのもおこがましいが。
 「わからないことがあればいつでも…。それと…」
 私は口ごもった。確かにちゃんこ屋さんのママは私にこの道に進むきっかけを作ってくれた、いわば恩人。だが、2階のお座敷バーをやめる時、私と西田氏は使用人のように後片付けを命令された。最初の約束では私たちはお座敷を自由に使って、利益の半分を渡す、いわばママとはパートナーの関係だったはず。だから私は家から洋酒とカクテルのグッズを持ち込んだ。給料をもらっていない以上使用人扱いは腑に落ちない。あれを片付けろ、これをもってこい。中山君も最初の約束とは違う目にあわなければ良いが。
 「それと、最初にママといろいろきっちり約束事を決めといたほうがいいよ」
 「はい。わかってます。ママはとてもいい人なのでうまくやっていけるとおもいます」
 中山君はバーを出来るのがうれしいらしく笑顔で答えたものだった。
 いい人か…。ふふふ。いい人が私のお客様を使って、しかも音楽の後輩を使って目と鼻の先に同じようなバーを作らないと思うけど…。
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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