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バー物語(フィクション)№167

 トップウインの休日、木曜日。アヴァカヴァは満席に近かった。私はゆっくりマスターとお話がしたかったので深夜にもう一度訪ねることにした。
 「さっそく来て下さったんですね」
 ママにテーブルを案内された。夜中の12時近く。さすがに数人のお客さんしかいない。メニューはエスニック中心。ベトナム風生春巻きを選択した。生春巻きは他の店でも何回か食べたことがある。さてここのは…。やはり、予想通りうまかった。昼に来させていただいた時、空気がこの店の料理の水準を予感させた。今までのどのお店よりも美味しい。新鮮なニラとうま味のある海老のコンビネーション、プラス生春巻きの質。
 「いらっしゃいませ」
 マスターと思しき男が近づいてきた。やや内股、顔はおおよそ料理をしそうな面構えではない。この男が…と思わせる、どこか山男のような雰囲気をかもし出していた。バンダナに無精髭。失礼を承知でその男全体をなめるように見ていた。しかし何か引かれる。小学生の時によく先生に教わった。『人を服装や顔で判断してはいけません。外見と中身は違うものですよ』はたしてそうか。当時38才の私はその教育を疑問に思っていた。人は顔で判断すべきではないのか。アヴァカヴァのマスターの顔は狡さがなかった。人を安心させる何かがある。自分の感を信じた。私は名刺を出した。のんちゃんが初めてこられた時には名刺がなかったなぁ、頭の片隅に思い出しながら。
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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むむむ

マスター氏は頭からブラッドオレンジジュースかな。
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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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