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バー物語(フィクション)№155

 トップウインの裏手にある居酒屋、磯辺に新しい男の子二人が入ってきた。学と正行。二人は同い年22歳と言う。若い。元々元気の良い大将の店、更に活気が出てくる。大将はこの二人がかわいいのだろう。店の片付けの休憩といってはビールをおごっていた。
 「マスター、すみません。泡なしでお願いします」
 学は人懐っこい笑顔でいつも泡なしビールをオーダーする。対して正行は笑顔はあるのだがほとんどしゃべらなかった。陽と陰。いいコンビだ。そのうち二人は自分たちだけで来るようになった。
 「今日は早く終わりました。マスター、いつもの泡なしビール」
 と学。
 「ぼ、ぼくもビールを」
 正行は遠慮がちにいつもしゃべる。どもっていないのにどもっているように聞こえるのは何だか不思議だ。
 「磯辺の横にバイクがあるね。誰の?」
 私は二人に訊ねた。
 「ぼ、ぼくのです」
 正行が答えた。
 「そっか。正行くんのか。乗ってもいい?ちょうど今、誰もお客様いないし」
 「え?いいですけど…。250ccのレーサーですけど…」
 「いい、いい。今から乗せて。なーに、ちょこっとその辺を一周するだけだから」
 「わ、わかりました。こ、これがキーです」
 無性にバイクが乗りたくなった。私は正行からキーを預かった。
 
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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