AX

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

バー物語(フィクション)№131

 「紙コップでもいいんじゃねーか」
 まだ水道が通っていないので…という事か。
 「西田さん、店を開ける限りは今まで通りグラスを使いたいですね。店の中のグラスは全滅でしたが幸いストックのぶんは助かりました」
 「うん?家に持って帰って洗うのか。面倒くさくねーか」
 「お金をいただく以上地震前と同じスタイルでします」
 「よっしゃ。決まったな。今日開けろよ」
 ブレイクを出て西田さんと別れた。店の前に立つ。むき出しのドアー。右に少し傾いている。シャッターはねじれて壊れてしまった。地震後、店の中に入ろうとしたのは1月28日。困っている知人たちの助けに奔走して自分の店には近づけなかった。1枚1枚シャッターを分解していく。ようやく店内に入れたのが翌日のお昼。暗い店内からは洋酒のいい匂いが立ち込めていた。明かりのスイッチを入れる。点いた。棚に1本のバーボンがあった。信じられなかった。棚の上をさんざん踊った後でうまくまた棚に着地できたラッキーなバーボン。エヴァン・ウィリアムズ。横になったエヴァンが『やっと来たか』と語っているようだった。 
スポンサーサイト

テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

あっという間に震災まで進んだのね♪我が実家も全壊チームでしたが四人家族無傷は強運☆秋口に引っ越す先は五階になるけど、地震がきたらユレユレかなぁ避難した小学校の体育館で知らないおじさんに勧めれれるままにウイスキー飲んでたら父親に叱られたのが懐かしいなっ

すんごい。地震の後避難した先で見知らぬおじさんと酒盛り。さすがはすっちさん。
プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。