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バー物語(フィクション)№97

 「マスター、俺は68年の安保闘争に参加してな…」
 サムは私に語りだした。
 「高3の時に、逮捕されて留置所に入れられたんよ。絶対退学って時に担任のこの青丸先生が救ってくれた」
 「下田は勉強もできたしクラブも一生懸命していたから卒業できたんだよ」
 「いいや、後で聞きました。青丸先生が俺のことを必死でかばってくれたって事」
 「いいよ。そんなこと。しかし下田は柔道強かったなぁ」
 「柔道は中学から、俺の生きがいでした」
 青丸先生は安保闘争に絡む話題を避けようとしていた。
 「絵もうまかったな。あの難しい武蔵美に現役合格だもんな。下田の店はさぞかし美術的センスにあふれているんだろうな」
 「あ、先生。今から店、開けます。来てください。ビールおごります」
 「ん。では行ってみることにするか」 
 25年ぶりの再会。よくお互いに顔がすぐにわかったものだな。どちらも強烈な個性を持った顔。だからか。小学校の時によく言われたものだ。人は外見で判断してはいけません。ましてや顔で判断するなんてもってのほかです。はたして。たった37年しか生きていない私だが人は顔で判断できると断言できる。強い個性を持った人からは他の人からは違うオーラが発せられる。それが人相、顔立ちに反映されるのだろう。25年間会わずとも瞬間的に相手がわかる。生きていく以上そんな人間になりたいものだな。
 店を閉めて流れ者屋の前をそおっと通った。二人の楽しげな嬌声が聞こえてくる。サムは青丸先生の教員新人の時の教え子だろう。今も熱血教師。若い時はその倍以上の熱さを持っていたに違いない。はたして私の教え子が25年ぶりに会った時にこんなに喜んでもらえるのだろうか。ふふふ、石を投げつけられたりして。
 流れ者屋から遠く離れても笑い声が聞こえる。今日は徹夜か。青丸先生大変だな。 
 
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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私も思う!人は人相に人生が出る出る精神が表れる☆泉っちょは十分個性的なオーラでまくりだよ♪思った通りの人間になれてて良かったね♪私も今の所、予定通りの人格に出来上がっております。まだまだ成長過程32歳☆
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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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