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バー物語(フィクション)№88

 その日の12時近く、若いカップルが覗いていた。男性が白い小さな犬を抱いている。入ろうか入るまいか躊躇しているようだ。私はドアーを開けて大きな声でどうぞお入りくださいとうながした。
 「遅くにすみません」
 子犬を抱いた男性がすまなさそうに入ってきた。
 「あ、この犬はおとなしくて動かないので一緒に入ってもいいでしょうか」
 椅子の前でことわりを入れてきた。
 どうぞどうぞと私が返事をする前にまっちゃんが招き入れる。
 「稲葉さんのご紹介で…」
 ああ、あの白髪の男前の紳士。是非に行ってくるようにと言われたらしい。ラムトニックとソルティードッグをお出しした。
 お連れの女性は美人と言うよりも何か内面にキラキラしたものを持っているような魅力的な方だ。常に笑顔を絶やさない。男性のほうも整った顔立ちをしている。暖かさを感じるカップルだ。
 「明日が休みなので」
 明日が休み…、真夜中に来て…、同業者かな。
 「お店をなさっておられるんでしょうか」
 「はい。そこのタイ料理です」
 きれいなよく通る声で女性が答えた。この方がタラートのママか。稲葉さんが美人だといっていたのがよくわかる。調理は男性、サービスは女性が担当だと説明してくれた。私は近々寄らせてもらいますと約束した。
 
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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