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バー物語(フィクション)№64

 吾妻寿司から借りてきた割り箸でなんとかオーダーを次々こなしていった。スコッチの水割り、ジントニック、スクリュードライバー等、お座敷バーで作っていたものばっかりだった。そのうちお花が届きだした。のぶちゃん、磯辺、かりずまい、ごみばこ、吾妻寿司、ヒーロー。なじみのお店の方たちから。ありがたかった。せまい3坪の店が花だらけになった。
 「バーあらし、知ってる?」
 ある日リックバーのマスターに訊ねられたことがある。どうやら、バーのマニアらしい。お酒にもカクテルにも詳しくて貧弱なバーテンダーをいじめて喜ぶ輩という。
 「いつか来るよ。きっと。うちにも来たなぁ」
 「どうすればいいんです?」
 「いや、普通にやってればいいんですが…」
 どうやらうっとおしいタイプのお客様みたいだ。来なければいいな、そのようなタイプのお客さん。
 南伸坊に似たお客様が水割りを数杯飲んだ後でこちらをじっと見ていた。何か言いたそうに。
 「マスター」
 「はい」
 「マスター。ショートカクテルを頼んで、次の日から来なくなってもいいかなぁ」
 南伸坊はにこにこ笑いながら言った。ショートカクテルを飲んでまずかったら2度と来ないという意味かな。なかなかかっこいいセリフだな、今度どこかで使ってみよう。南伸坊を逆にこちらがじっと観察した。かなりでかい男だ。180以上あるだろう。がっちりしたタイプ。背広を着ていた。決まっている。普段から背広で生活しているのだろう。顔は、顔の艶がやたらといい。30前後の若者だった。ふふふ、よそのバーでもこんなセリフを言ってるんだろうな。
 「はい。何にいたしましょう?」
 ドキドキ。カクテルブックは手元にない。知らないカクテルだったら格好がつかない。
 
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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あけおめ♪

幼児に2時に、たたき起こされ三時半に彼は眠り眠れなくなったはすっちです☆開店しパーアップして面白く書いてね~ことよろ☆△◇

真夜中の

コメントほんにほんにありがとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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