AX

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

小説・パッションと指揮 その21

 阪急武庫之荘の家に帰る。夜中11時。家人は寝ている。ピアノの部屋に入る。蛍光灯。ピキシピ、と音を立てて明るくなる。
 ピアノの譜面台にベートーベンのソナタの楽譜が置きっぱなし。3週間で暗譜なんて、アホな自分には無理だ。でもしなくてはいけない。楽譜をぼんやり眺める。1時間、2時間。真夜中1時過ぎから音を出し始める。気がつくと朝の5時半。4時間少し音を出してフーガの手前までは暗譜できたような気がする。
 さて、寝るか。そのままピアノの横のソファーにごろんとなる。気が付くと8時。
 あーあ、また京都に行かなくては…。
 ほぼ毎日がこの繰り返しであった。そのころから私の平均睡眠時間は4時間程度。それが平気な日常生活。
 下村先生に28番のソナタを聴いてもらう。
「暗譜できたら持ってきなさい」
 先生は常に暗譜が前提だった。高校時代もバッハ以外、暗譜できてなければ聞いていただけなかった。
「1楽章から最後まで、何が言いたいの?さっぱりわかりません。ちゃんと整理して弾きなさい。時間がないのよ。じれったいわね」
 きついお言葉を頂戴してレッスンが終わる。
 先ほどの青井先生のじれったいわ、きー、の言葉で瞬時に思い出す。下村先生…。懐かしい。
スポンサーサイト

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。