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小説・パッションと指揮 その10

「友達が来ているので迎えに行きます」
 金谷が携帯を見て席を立つ。
 しばらくして入ってきたのは和服を着た美女だった。
「かずのこさんです。東京の友達」
 我々に紹介する金谷。彼女は友達なる人物が多数いる。巾も広い。変態から学者まで。今回の美女は変人には映らない。年のころ50前後の常識派か。
「ラフマニノフの協奏曲を弾かれるピアノの達人がいますよってうかがって」
「そう、その達人がこの江里さん」
「あら?江里さん江里さんって、女性ピアニストかと思っておりました」
 かずのこさんはウーロン茶をオーダー。フードはあまりいらないと言う。
「江里さんは音大とか出ておられるんですか?」
 かずのこさんの声は穏やかで落ち着いている。
「いえ。趣味でピアノを続けていて…」
「ご趣味?わたくしも趣味でピアノを始めたのは60年近く前。もうやめちゃいましたけれどもね。続けていらっしゃるなんてお偉いですわ。それもラフマニノフをお弾きになるなんて天才なのね」
『はー?60年前?ってことはこの女性は還暦超えてるんか』 
 私は心の中でうなった。
『化け物だな』
「天才だなんて、滅相もございません。先ほどのリハーサルもメロメロな状態でございました」
 江里が和服につられたのかへんてこりんな日本語をしゃべりだす。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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