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小説・菜その159

「実は、お料理のできるスタッフを探していてね」
 お客様がおられてもおかまいなしにしゃべりだすマスター氏。
「……」
 じっとマスター氏の顔を見続ける菜。次の言葉を待っている。
「隣の隣のビルの2階、やき焼き亭一勝、わかる?」
「ええ、伺ったことあります」
「そこを1階に引っ越す計画があるの」
「……」
「で、このバーをその2階に引っ越そうかと」
「はい」
「ここは6坪のバー。2階は15坪ある」
「ええ」
「お客さんの要望でね、まともな料理を出してと言われてね」
 現在は冷凍食品、缶詰と簡単なおつまみしか置いてなかった。
「で、お料理できる人の心当たりがなかって。それでどないかなと」
「私は、今の職場を辞める気はないんですけど…」
「いえいえ、急には答えを求めませんよ。まー、そんな話があったなー、と気に留めといてくれる?」 
「はい」
 にっこり笑う菜。悪い気はしなかった。スカウトされた。
 マスター氏、菜の勤めるカフェは長くはないとの情報をつかんでいたのである。菜の耳にはその話は伝わっていなかった。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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