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小説・菜その156

 菜は福田さんとオーナー氏とのやりとりを洗い物をしつつ盗み聞きしていた。
「ちょっと、大変よ」
 サービス係の男にささやく菜。
「いえ、聞こえてました。オーナーが帰ってから福田さん、お話しなさるんでは?」
「そうね」
 店はオーナーが仕切っているのではなく福田さんであった。普通こういう場合はオーナー氏から説明があるのでは、と思う菜。
「福田さん、辞めないでください」
 菜は福田さんの説明の前に切り出す。
「いえ、責任をとれと言われました」
「でも……」
「大切なのはこの店の利益を上げること。私の人件費が浮くとかなり楽になるはず」
「……」
「思った以上にお客様が集まりにくい場所でした。このアクタ自身に集客力がないというのもありますが、このロケーションにも問題があると思います」
『でも、それは最初からわかっていた…』
 菜はサービスの男に目を向ける。彼もうなずく。同感なのだ。
「で、聞こえていたと思いますが本日限りで」
「これから、どのように…」
「大丈夫よ、小西さんのお料理もずいぶん早く出るようになったし、もともと美味しいパスタを出しているし。彼もしゃべりはうまくなったしサービスも板についてきた…。そういうわけで今後は何も変更せずにいまのまま続けて下さいね」
 非常に簡単な申し送り。菜がこの後、福田さんに会うことはなかった。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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