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バー物語(フィクション)№38

 「ああ、のぶちゃん」 
 二人同時に声を発した。
 「外までつつぬけ。何けんかしてるの?」
 「いえいえ、別に…」
 「泉さんがボトルをいっぱ並べたいんだってさ。このせまい店に。やめとけって言ってたとこなんだ」
 のぶちゃんとは吾妻寿司でたまにお会いした。また、その縁でお座敷バーにもよく来てくれた。新地でホステスをしているらしい。普段見るととてもホステスさんとは思えない。顔も服装も地味なのだ。
 「まだ全然出来てないじゃないの。オープンまで前途多難ね」
 「11月初旬にオープン予定です」
 「いやー、無理なんじゃない」
 「はぁ…」
 無理かもしれない。本気で思えてくる。もう10月が終わるまで2週間を切っている。棚一つ出来ていない。壁にベニアを貼っただけ。
 「グラスやお皿を買う足しにして」
 のぶちゃんが白い封筒をハンドバックから出しながら言った。
 「がんばってね。楽しみにしている」
 言い残してさっさと現場から立ち去った。封筒は分厚かった。
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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