AX

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

小説・菜その35

「ただいま」
 いつまでも市場にいるわけにもいかず。菜はトボトボと家に帰る。しかし、おかあさまには大きな声で帰ってきたことを告げる挨拶。
「お帰り。写真うまく撮れた?」
「……」
 ジッと母の顔を見る。下の弟忠哉は母のそばで寝ている。和哉は外に出ていていない。祖母は滋賀県に帰ってもういない。
「どうだった?」
 もう一度たずねる和子。
「うまく撮れました。おかあさま」
 和子もまた菜の顔を見る。
「どうでした?」
「クラス写真、うまく撮れました。おかあさま」
「どうでしたか?」
 再度たずねる母和子。
 菜はうつむいてしまった。沈黙の時間が過ぎていく。和子は菜の様子がいつもと違うことに気がついていた。二人とも黙ったまま。采の目が閉じられる。柱時計の音がだんだん大きく聞こえるようだ。
「久しぶりにクッキーを作りました。菜ちゃん、食べますか?」
 大きな声で泣き出す菜。
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。