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小説・菜その23

 ジュンは市場の中を歩き出した。入り口から雑貨屋さん、お肉屋さん、魚屋さん、豆腐屋さんへと続く。買い物客で一杯だ。狭い通路に人があふれる。魚屋さんは大きな声で叫んでいる。
「さー、見ていってや、見ていってやー。イカが安い。今日、とれたてやー。さっきまで泳いでたやつやでー。色が透明、透けてるやろー。新鮮な証拠やでー。はい、見ていってや見ていってや」
 菜は声につられてイカを見る。赤い色をしている。透明ってこんなんだったかなー、と思う菜。
「おっ、お譲ちゃん、偉いねー、買い物かー。赤いランドセルが良く似合うー。さー、この鯛はどうやー。すぐに食べれるようにさばいとこかー?えー?お譲ちゃん。はい。買ってやー」
「おじさま、ワタシはお買い物に来たのではありません。ワタシは、あのね…」
「バーカ。菜、聞いてねーよ。魚屋のおっさんはしゃべるだけで、菜の話なんかきかねーよ。ほれ、行くぞ」
 ジュンは菜の手を握ってズンズン前に進んで行く。瞬間、菜は耳が真っ赤になった。生まれて初めて身内以外の男性に手を握られた。心臓がドキドキする菜。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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