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小説・菜その17

 翌日、ランドセルに自分で焼いたクッキーを入れていると…。
「あら、菜ちゃん、それはいけないわ」
 母にとがめられた。
「学校にお勉強道具以外の物を持って行ってはいけません。おやつもいけません。でしょ?」
「あ、あ。う…」
 母の顔を見つめる菜。男の子にあげる、言いかけてやめた。給食を食べていないのがばれてしまう。叱られるかどうかわからない。が、今は言わないほうが良いと思う菜。
「ランドセルから出しなさい。ね」
 きつく下唇を噛む。目を足元におく。涙がほほをつたわる。
 こんな事で泣く娘ではない。何かある。
「言えないの?」
 母の顔。困ったような顔をしている。菜は母を悲しませたくない。
「わかりました。おうちに置いて、い、き、ます」
 数秒の沈黙の後。
「わかりました。持ってお行きなさい。ただし、先生に見つかってはいけません。菜はクッキーを食べたくて持って行くのではないでしょ。おかあさまはわかります。菜はそんな子ではありません」
 涙がぼろぼろ。洪水のように流れる菜。嬉し涙か、感謝の涙か、ホッとした涙か。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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