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小説・菜その5

 菜は母の手伝いが好きだった。母が喜ぶ顔を見るのが好きだった。晩ご飯を作るのをいつからかずっと手伝っていた。近所の友達はいなかった。寂しいとも思わなかった。おかあさまといるのが楽しかった。友達は学校にいる。家ではおかあさまといる。
 菜の家の米は母の実家から送られてきた。滋賀県の甲賀郡。菜はそこに行った時、祖母に教えられた。ここは忍者の里だと。
「だから菜ちゃんも水の上を歩けたり、ドロンと消えたり出来るんだよ。ここの人たちはみんなおとなになったらできるようになるんだよ」
 菜はそれを信じていた。早く大人になりたかった。父にしかられてもぶたれても平気。大人になったら、大人になったらといつも思っていた。
「じゃーね、さいちゃん、お米お願いね」
 送られてくる米の中には小さな石が混ざっていた。菜はそれを選り分ける。菜の実家の米は農協に納める。自分宅用はそれとは別に無農薬で作る。売る商品ではないので扱いは雑。必然的によくゴミや小石が混ざる。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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