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小説・菜その2

 菜は背が低い。集合写真の時は前列で椅子に座らされた。小学校1年生。ガヤガヤやかましくなかなか言う事を聞かない。
「はーい、よろしいですか、そこの、はいはい、ぼく、そこそこ、うごかないで、はい、そこにすわって、そこたってー」
 写真館のおじさんがなだめながら子供たちを思う位置に並ばせる。
「くらー、このジャコ。静かにせんかー」
 担任の本橋が切れて怒鳴った。本橋静香。31才、女性。美しい貌と雅な名前からは想像できないガラの悪さ。カメラマンがぎょっとして本橋の顔を見る。子供たちは一瞬にして凍りついて目を丸くする。
「わーったか。この写真のおじさんの言う事をきちんときかんか。アホ」
 2回の指導でスムースに並びだした。菜はびっくりしなかったし、慣れていた。父の義昭のほうが丁寧だが、言葉の中に凍りつくような棘が含まれる。本橋先生はいくら怒っても顔はどこか笑っている。
「よし」
 本橋は一人一人指差しながら後列から確認する。前列に移ったとき、おや?という表情。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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