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バー物語(フィクション)№15

 それから私はちょくちょく一人で鼎に顔を出すようになった。早い時間に行くとマスターはサントリーの角の封をカキッと切って水割を作った。営業中ずっとマスターはその水割りを飲んでいた。
 「どれくらい飲むんですか」
 「一本空くことが多いなー」
 「毎日?」
 「毎日。晩飯代わり」
 「え?ご飯食べないんですか」
 「片山君はよく、食べ物のことを言うが、男があれがうまい、これがまずいなんて言ってはだめだよ」
 マスターは煙草をくゆらせながら静かに話す。身長は165位。痩せ型。顔の造りも小さかった。食事をほとんどしない。納得させる体型だった。結局これが彼の命取りになる。
 私は少しずつカクテルというものがわかってきた。長いコップに入れるロングカクテル、逆三角形のグラスに入れるショートカクテル。
 カクテルに関する書物も読んだ。ショートカクテルはふた口半で飲む。ふーん。よし、今度鼎に行ったときにショートカクテルを飲むぞ。それまで私は最初に飲んだテキーラサンライズばかり飲んでいたのだった。
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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