AX

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

フィクション★ハタッチⅡその3

 水井はチャイムの音で起こされた。時計を見ると5時過ぎ。正月入ってすぐにA型肝炎を発病。完治したとはいえ、体のだるさは抜けていなかった。療養中の昼寝をする習慣がついてしまった様だ。担当医は生牡蠣からの伝染の可能性が高いと言っていた。12月初旬、日本酒専門居酒屋であまりうまくない生牡蠣を食べた。あれだったのか、そうではないかもしれないが、口に入れた瞬間、イヤな感覚を持った記憶がある。吐き出せばよかった、後の祭りである。
 昼寝をしていたのは2階。この部屋で教え子の男子高校生とファミコンをしてよく遊んだものだった。しかし、発病してからは、肝炎がうつるといけないので来るなと言ってあった。はて、誰が来たのか。セールスか。
「ん?」
 玄関を開けると中畑が立っていた。
「せんせ……」
 水井は瞬時に察知した。入試失敗。そうか、今日は東京芸大の初日だった。夕闇の中から、中畑の真っ青な顔が浮かぶ。目の焦点が合っていない。
「大村を呼べ」
「え?なんです?」
「もう、家に帰ってるだろう。ハタッチよ、大村に電話してここにすぐ来るように言え」
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。