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フィクション★ハタッチその19

「なんか、すごく飲みやすくなってますし、甘く感じます」
「おいしい?」
「はい。もう少し飲んでもいいですか?」
 最初は舐めるだけだったが、今度は、ワインを口の中に含ませた。甘さが際立っている。昨晩飲んだ時の渋味がほとんど感じない。
「赤ワインってこんなに美味しいものなんですね」
「赤ワインというより、このワインでしょうね。一晩で化けたんだよ。感動モンだろ?」
「はい」
「ハタッチもこのワインのような素質があると思う。でも、まだまだ未完成。それを100点がどうのこうのというような幼稚な話をしていてはダメだ」
「……」
「アルコールの高いコニャックはこんな化け方は出来ない。出来るのは完全を目指す不完成な原石。環境によっては腐ってしまうアルコール度数の低いワインが、人に感動を与えるんだよ」
 もう一度赤い液体をゆっくり飲んだ。100点と感動とは違う。先生はこう言いたいのか。意識して味わうと、口中が震える感覚を持った。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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