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教員Aその190

 予想通りというか予定通り、彼女は1次試験を通過した。2次試験はソルフェージュと楽典。これは私が特訓したので余裕で合格ラインに達している。後は体調に気を配ってれば良い。
 合否は大学の中で掲示板張り出し。今はネットで発表。30年も違えばシステムも変わってくる。どきどきしながら大学まで行く。電車、バスを乗り継ぐ。不安で心臓が爆発しそう。合格=万歳。不合格=がっくり、吐きそう。対してパソコン開いてボタンをクリック。味気ない。
 京都市立芸術大学音楽学部合格発表の日、事務局より合格したとの報告があった。それほどの喜びはなかった。合格して当たり前と思っていたからかもしれない。日乃日乃学園の音楽科は確かにレベルが高くない。しかし、才能が隠れている子も少なくないのだ。教員の力量一つで子供の人生が変わる。今のままではこの学校も生徒も、うずもれる一方。そんなことを言える立場ではないのだが、思ってしまう。
 職員室の隣の休憩室でコーヒーを飲んでいると、彼女の担任が入ってきた。
「A先生、おめでとう」
 ひとこと言って出て行った。
 フー、私は大きくため息をついた。
「ん?Aさん、どうしたったん?」
 片山先生が怪訝そうにこちらの顔をのぞく。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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