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教員Aその138

 事務室は1階の入り口横にある。そこに背広姿の男が立っていた。
「先ほどはお電話、ありがとうございました」
 ニコニコ顔で挨拶される。東武トラベルの玉田氏だ。どうぞこちらへ、と2階の職員室に来てもらおうとすると事務員の秋岡氏に呼び止められた。
「先生、探し回ったんですよ」
「はぁ、レッスン室にいましたが…」
「レッスン室も探しましたがいませんでした」
「おったっちゅうねん」『寝ていたとはいえないしなぁー』
「来客予定があるなら居所をきちんと事務まで言ってください」
「はあ?来客予定?彼は急に来られたんですよ。だいたいなんやねん。偉そうに…」
「先生、事務員も教諭も同じ学園職員です。対等に言ってます」
「アホか。それが対等な言い方か。上から下に物言うてるやんけ。ぼけ」
「ナニ?私のほうが年上だ」
「ワケわからんこと言うな。おまえが、今、対等って言うたやろ」
「おまえって何だ」
「日本語も知らんと事務できるな。アンポンタン」
 杉谷先生が飛んできた。二人は大声を出していたらしい。
「まぁ、まぁ。A先生、打ち合わせですか?上にあがって下さい。秋岡さんもそんなに目をつり上げなくても…。まぁ、まぁ…」
 私は別に興奮していたわけでもなく、若いときから話しなれている言葉を使ったに過ぎない。が、以前から何かと細かい注文の多いこの事務員に、良い印象を持ってなかったのは事実である。一呼吸置き、営業担当者に静かに言った。
「2階の職員室まで来てくださいますか」
「あ、はい」
 目をまん丸くさせた玉田氏は、急ぎ足で私の後をついてきた。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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