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教員Aその105

 話しながら教室を見渡す。すぐにわかった。委員長だけがニコニコしている。私は連絡事項をすべて言った後、補足することにした。
「きのう、掃除の件で、委員長と話しながら学校から駅までいっしょに帰りました。昼休み掃除の件はしばらくこちらで預かります。すぐにそうはなりません。で、これから、駅までの下校、一人ずつ、もしくはグループでいっしょに帰ることにしました。で、各々。思うところがあれば、帰り道にしゃべってもらいます。順番はどうでも良いので自分達で決めて5時に職員室に来てください。希望者だけではありません。全員が参加すること。これは強制です」
 ヤキモチ。クラスの生徒はヤキモチを焼いたのに違いない。委員長がAと一緒に帰ったとおおいに自慢したのだろう。私はとっさに一緒に下校強制参加でかわした。 
 強制…。私の高校時代、生徒間で、はやった言葉だ。
『来週は映画鑑賞会です』担任が言うとすかさず、
『それは強制ですか?』生徒がいっせいに聞く。
『強制です』……。
 ある種の約束事のように、この会話が繰り返された。
『明日は女子バレー部の県大会の決勝です。中央体育館であります。全員で応援に行きます』
『強制ですか?』
『強制ではありません。が、君達のクラスメートが一生懸命クラブ活動をして、今、まさに兵庫県で1位になろうとしています。しかも地元で試合があります。強制ではありませんが全員参加です』
 私はこのたぐいの会話に入ったことがない。何があっても常に傍観者。しかし、この時には発言をした。
『あのー、強制でなかったら参加したくありません』
 2年の担任はギョッとしたような目で私を見た。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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