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教員Aその79

 音楽科のレッスンは、夏休み中にもある。大学入試が最大目標の音楽科。いうなれば、高校に進学塾を作ったような格好である。
 その夏休みの高校1年生のピアノのレッスン。
「もう一度」
 音大入試に音階と分散和音の課題があるところが多い。春先から私はそれを適当に聴き流していた。
「もう一度」 
 私は、その生徒に何もアドバイスせず、何回も繰り返し弾かせていた。
「先生、どこが悪いのですか?」
 5回目の時、しびれを切らした生徒が質問してきた。
「どこが悪い?そうだね、全部悪い。もう一度弾いて…」
「全部悪いんですか?」
「はい。聴くに耐えません。もう一度」
 少し、ムッとしてスケールを弾き出した。
「待って。君、どんなテンポで弾くか決めないで弾いてるのか?最初からテンポがバラバラじゃないか」
『テンポと言っても指定があるだろうがあぁ』
 大学の追試で、園田先生に叱り飛ばされた、あのスケール。そしてテンポ。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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