私が素人と言うことがばれてから、OG達はあまり応援に来なくなった。来ても2、3人。しかも試合が終わるとサッサと帰っていった。結局、リーグ戦は3戦全敗。しかもリーグ入れ替え戦も負けてCリーグに落ちた。
「3年生は今日でクラブ活動は終わり。夏休み中でもあるし、中学生と高校1、2年生は明日、月曜日は1日休んで、火曜日からまた、練習再開しましょう」
私は、入れ替え戦で負けた後、いつものように短いコメントを言って解散した。
『ふっ。やっと終わった。やれやれ』
私は、全敗に対して、責任もあまり感じずに帰路についた。
「Aさん、体育館閉めに行ったら、バスケット部、使ってたで。後で閉めといてくれる?はい、これ」
森先生が私に体育館の鍵を渡した。練習は休みにしろと言った月曜日である。私はクラブ活動に関係なく、夏休み中も毎日学園に来ていた。ピアノの練習。癖のものだと思う。
「あれれ、おかしいな。なんでかな」
「クラブとは違うかもしれないな。一人だけ、練習してた。はよ帰さな、電車、間に合わんで」
一人だけ?はて、誰か。私は急いで体育館に向かった。
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