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教員Aその42

 私は静かになるのを待った。
「あわてるな。可能性の話をしている。この子は素晴らしい才能を持っている。しかし、ピアノを途中でやめてしまった。ゆえに、今はうまく弾けない。だから、惜しいと言っている。わかる?」
 生徒さん達、私の話の続きを促すように静かにしている。主人の命令を待つ飼い犬のオスワリのように。
「才能を伸ばす気があるのなら今からでも遅くない。たとえば、音大進学も可能…」 
 はったりである。行けるか行けないかそんなのわからない。クラスのボスっぽい子にまじめに授業を受ける姿勢を持たせて、授業を粛々と進めるのが目的だ。
「ピアノ、うまく弾きたいです。まじめにやればベートーヴェンのテンペスト、弾けるようになります?」
「何です?テンペスト?」
「はい。テレビで…。赤い激流で水谷豊がコンクールで弾いてました」
「ふーん」
 私は、テレビをほとんど見ない。見てもNHKのニュースかクラシック音楽番組。例外的に刑事コロンボをよく見ていた。
「出だしはどんなの?」
「タラララー、たらららー、タラララーです」
 ふむ。第3楽章ね。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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たららら~(^v^)

なつかしいです。
先生に選んでいただいた受験曲です…(^_^;)

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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