小説・パッションと指揮 その28
「青井先生はコンチェルト、弾かれないんですか?ソロはよく聴きましたが…」
話題が硬くなってきたのを嫌ったのか、伊達が青井彰に質問をする。
「えーとねー。オーケストラを使うと何かと大掛かりになって、お金がたくさんいるの。ボク、貧乏だからそんなのできっこないの」
確かに。プロとしての演奏活動をしていても、協奏曲を仕事として頼まれるのはまれである。たいていの場合は、協力してくれと、数十枚から数百枚のチケットを持たされてしまう。今回は無料コンサート。出演者全体がボランティアなんだろうか。
「次は何の協奏曲を弾かれるんですか?」
平井が江里に尋ねる。
「いえ、なにも決まってません」
「ラフマニノフの3番なんてどう?」
ペコちゃん先生が江里の顔を見る。
「ふっ。弾きたいですが…」
「えーー。それが弾けたらすごいわねー。すごいすごい」
生ビールを調子よく空けながら青井彰。
「お医者様をしながら演奏活動なんて、それもかなりのものですね」
伊達も口をはさむ。
話題が硬くなってきたのを嫌ったのか、伊達が青井彰に質問をする。
「えーとねー。オーケストラを使うと何かと大掛かりになって、お金がたくさんいるの。ボク、貧乏だからそんなのできっこないの」
確かに。プロとしての演奏活動をしていても、協奏曲を仕事として頼まれるのはまれである。たいていの場合は、協力してくれと、数十枚から数百枚のチケットを持たされてしまう。今回は無料コンサート。出演者全体がボランティアなんだろうか。
「次は何の協奏曲を弾かれるんですか?」
平井が江里に尋ねる。
「いえ、なにも決まってません」
「ラフマニノフの3番なんてどう?」
ペコちゃん先生が江里の顔を見る。
「ふっ。弾きたいですが…」
「えーー。それが弾けたらすごいわねー。すごいすごい」
生ビールを調子よく空けながら青井彰。
「お医者様をしながら演奏活動なんて、それもかなりのものですね」
伊達も口をはさむ。
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