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小説・菜その131

 オープン1週間前に職場を辞めた菜。工事中の現場へせっせと通う。住居からは3キロほど。自転車で通った。
 カウンターはコの字型。12人座れる。が、対面してしまう。飲食しづらい人もいるのではないか。
「そうね、まだ時間はあるわ。何か考えましょ」
 菜の指摘に福田さん、行動にうつす。心斎橋の家具屋さんにすぐ電話。
「ヨーロッパ調のキャビネット、高さ150まで、巾250前後、両面使えたらいいけど片面でも…。そう、すぐに用意してちょうだい」
 翌日、届いていた。『すごい人だなー』感心してしまう菜であった。
「どう、小西さん」
「はい。素敵です。両面使えて洋酒類も置けますね。これなら食事中、人の目を気にしなくてすみますね」
「ところで小西さん、コックコート持ってる?」
『え?こんな素敵でおしゃれなカフェで、わたし、コックコート?』
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

小説・菜その130

 結局、菜は承諾することになるのだが、福田さん、そこから大活躍。オーナーの打ち合わせから希望を聞いて、設計士と打ち合わせ。内装の部材の選定から厨房機器の設置場所のレイアウト。菜のへの話が出てからわずか2か月でオープンの運びとなった。
 店名、Gカフェ。オーナーは関西学院のアメリカンフットボールの選手だった。KGファイターズ。その一文字をとったのである。
「お給料?30万円出すわ、いい?」
 菜に自分がオーナーのように話す福田さん。最初バーでお話を聞いた時には、なんとなくなじめなかった。が、深く付き合っていくうちにかっこ良く見えてくる。菜はこの方について行こうと思うのであった。

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小説・菜その129

「ギャラを聞いて納得できたら働いたら?この職場だってそんなに楽しいわけじゃないでしょ?」
 お給料。そんなに大切かしら。菜は今まで給料の多い少ないを意識したことがなかった。働きたい場所で働ければいい、それだけで動いていた。
「じゃー、今度聞いてみる」
「うん。それと、休みね。休日。労働時間。実働何時間か。菜はそんなんに無頓着すぎるんだよ。ったく…」
 無頓着と言われればそうかもしれない。が、菜は今できることを今したい。そんな事にこだわっていては自分の身につくことのチャンスを逃してしまうのではないかな、そう思うのであった。

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小説・菜その128

 新しいお店、しかも自宅に近い西宮北口。非常に魅力的だが…。
「福田さん、だいたいわかりました。少し返事を待っていただけますか?」
 菜は、相談したい人物がいた。
 翌日。
「…という話。どうかなー」
 相談相手は同僚の男。男と言っても菜より年下だ。3つ下の22才。
「給料は?」
「お給料は聞いてないの」
「ふっ。それを聞かなきゃー」
 名は山本毅。名前はつよし、だが、見た感じも中身もふにゃふにゃの男である。

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小説・菜その127

「はい。パウダーシュガーといって溶けやすいんです」
『あぁ、わかった。ケーキにふりかけるのと同じなのね』 
 一人、納得してうなずく菜。
「小西さん」
「あ、はい。大丈夫です、たぶん。病気を持っているわけではありません。それより、もう少し具体的にお話をお聞きしたいです」
 ここで攻勢に出る菜。
「ええ。席数カウンターに8席、テーブル2つ。計16席を3人で回す予定なの。サービスの男の子は目星が…。私も立ちます。で、調理人を探しているわけ。オーナーに私、一から設計を任されてます。どう?小西さん、一緒に新しいお店、立ち上げません?」

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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