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小説・菜その113

 ブラジルはポルトガル語。吉田君はポルトガル語をしゃべれる。菜は次にポルトガルの地図を見る。百科事典で調べる。
『ヨーロッパの一番西の小さな国、日本が最初に会ったヨーロッパ人…』
 こんな小さな国がブラジルを植民地にしていた。
 菜は頭の中で想像する。ポルトガルは広い広い海を越えてアメリカ大陸の南の大きな土地を支配していく。
『吉田君』
 吉田君は手紙をちょうだいと言っていた。地図も書いてと。菜はまだ出してなかった。
『今日、書いて出そう』
 始業の予鈴が鳴る。菜は吉田君の長身を思い出していた。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

小説・菜その112

「大きい…」
 菜は思わずつぶやいた。
「本当ね、っと、ここの横に書いてるわ」
 森田さんは指でなぞりながらブラジルの説明文を読んでいく。
「日本の約22倍の面積ですって。すごいわねー」
『吉田君はこんなに大きな国から来たんだ』
「リオデジャネイロ、サンパウロが大きな都市みたい」
 森田さんが解説をしていく。
『そういえば、吉田君はブラジルとだけ言ってたけど、どこの町から来たのかしら』
 菜は、急にブラジルを知りたくなった。
「森田さん、この地図帳貸してくださる?」
「いいけど、どうして?」
「ブラジルをもっと知りたいの」
「小西さん、だったら百科事典のほうがいいと思いますよ」
 森田さん、席を立って菜を案内していく。森田さん、図書館を知り尽くしているようだ。

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小説・菜その111

 図書館で菜は何を読もうか、迷っていた。何でもいいと思う。でも、何が面白いのか?森田さんは自分が読んでいた本の続きを読もうとしているのかさっさと席につく。菜は上からのぞく。地図。世界地図だった。
「森田さん、地図、好きなの?」
「うん。好き。夏休み、外国に行くの、いっつも」
「……」
 すごい。海外。瞬間、菜は吉田君を思い出した。ブラジルって。
「森田さん、ブラジルはどこかしら?」
「ブラジル?まだ、行った事ないわ。南アメリカね。でたでた、ここよ」
 森田さん、手早くブラジルの地図を広げて菜に見せる。

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小説・菜その110

 菜は友達に誘われて何かするという事があまりなかった。この小学校は男子も女子もみんなが活発に動くようだ。もともと小学校に入学するまでは元気いっぱいの菜であった。空気、雰囲気が明るい。菜にとっては良い転校になった。継母和子の感があたったのか読みがあたったのか、ただの偶然か。菜自身、なんとなくの学校嫌いが払拭されるかもしれない。
「小西さん、こっちこっち」
 森田さんはさっさと歩く。菜は急ぎ足でついて行った。

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小説・菜その109

 さて、新学期が始まってしばらくすると恐怖の給食の時間がやってきた。ミルク、パン、肉じゃが、プリン。
 菜はパンを手に取る。
『温かい』
 立花小学校のカチコチの冷たかったパン。対してここのは柔らかくて温かい。ちぎって口に入れる菜。
『おいしい』
 肉じゃがを食べる。手が進む。口が動く。積極的に給食を食べる菜。初体験。
『プリン?』
 なんとデザートがついている。菜は楽しくなってきた。すべて平らげて、時間が余る。
「小西さん、本好き?」
「え、はい」
「図書館に行きましょう」
 菜は女生徒の森田さんにさそわれるまま図書館に行った。菜、初めての昼の休憩時間の活動である。

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  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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