AX

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

幼稚な料理その27

 以前からアルバイトに入っていたのが由起子以外にもう一人いた。大島千春。1階の桜咲くころで働いているあだな「シェフ」と言われている60男の娘である。アルコールが入らないと笑わないこの男に対してこの千春、寝ている間以外すべての時間において笑っているという万年躁状態の女性である。
「もう少し入られへんかなー」
「無理でんなー」
「何にもまだ言ってない…」
「泉さんの言おうとすることなんかすべてお見通しどす」
「なんやねん?ワシ何言おうとしてる?」
「お料理が以前のように出てありがたいやら困ったモンやら。料理はワシめんどくさいし、ここは手軽でしかも非常にかわいい千春にしてもらおう。ギャラははずむ。働けよ。ってな感じちゃうの?」
『げっ。図星』
スポンサーサイト

テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

幼稚な料理その26

 ピザマルゲリータは食べ終わっている。ペペロンチーノもない。カルボナーラを3人で分けて食べようとしている。一人が口につけた。もう一人も…。
『大丈夫そうやな』
 どうやら、生クリームを使っていないのもばれていないし、調理人が素人に代わったのもわかっていないようだ。
「スプリングバンクを…」
「赤、グラスで…」
「チーズを適当に…」
「ジャックダニエルロック…」
 またまた、厨房から顔をのぞかすとオーダーの嵐。とてもじゃないが私一人と由起子とでは回らない。ううむ。だれかに手伝ってもらわなければ。

テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

幼稚な料理その25

「そこにかかってます」
 指差されたのは、コンロの上のフード。なるほど。いろいろぶら下がっている。レードル大中小、泡だて大中小。チーズおろしもそこにかかっていた。私はパルミジャーノ・レッシャーノをパスタの上におろしていく。
『おおっ。真っ白けの真っ白け』
 これはどう考えても不味そう。ベーコンを取り除いて、チーズとパスタを合えて混ぜる。ベーコンを上に置きなおして、もう一度エキストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルを振りかけた。気休め、おまじないのようなものである。いまさら味見も出来ず、黒胡椒を挽いて…。
「由起子ちゃん、はい」
 由起子はテーブルにカルボナーラを運んでいった。菜穂子は黒胡椒を手でつぶして大きなまま乗せていた。大きな黒い胡椒がクリーム色のパスタに映えて美しかった。こっちはそんな余裕などない。表に出て、こわごわテーブルのお客さまの反応を見る。

テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

幼稚な料理その24

「買ってこんでええわ。牛乳取ってんか」
「はーい」
 宝塚牛乳。上に生クリーム層が出来る優れミルク。が、しかし、由起子が持ってきたのは半分以上無くなっている。
「サラはなかった?」
「はい。これだけですけど。マスター、大丈夫ですか?」
 大丈夫ときかれて、ハイ苦しいですって答えれるかいな。期待した宝塚牛乳の生クリーム層はない。では、生クリーム無しで。って出来るんかな。
「ええわ、適当にするわ。表に出といて…」
 茹で上がったパスタをフライパンに移して卵黄を入れて混ぜる。味見。
『薄い。しまった。先に味を調えれば良かった』
 ゲラントの塩を振りかけて、それから先と同じようにキッコージョウの薄口醤油。
『おっ。美味しいやん』
 生クリーム無しでもなんとか出来た。盛り付けて、黒胡椒を挽く前に何か抜けているような気がしてくる。由起子に聞くのはシャクだがそうも言ってられない。
「おーい、由起子さん」
「はーい」
「なんか足らないか?」
「パルミジャーノですよ」
「それ、どこにあるん?」
「ないですよ。挽きましょうか?」
 今から由起子が挽くのん待ってたらパスタが伸びてしまうやんけ。思い出した。由起子は菜穂子に命じられて毎日のようにパルミジャーノ・レッジャーノの塊を挽いてビニールの袋にためていた。
「挽かなくてええわ。で、チーズを挽く道具は?」

テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

幼稚な料理その23

「菜穂子さんはパセリをチラシてましたよ」
 そうか、そうだったような。
「ええからええから、出してきて…」
「はーい」
 由起子は一応、アドヴァイスをしてくれるが、元来深く考えないタイプ。ので、わたしがドウデモヨイという姿勢を見せると、彼女も素直にしたがう。パセリと胡椒、わからんわからん。いや、わかるか普通。
 気を取り直してカルボナーラに取り掛かろう。ベーコンを炒めて、生クリームと卵黄だったな。寸胴にパスタを適当にわしづかみして放り込んで。フライパンに、エキストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルをしいて、カットしたベーコンを入れて。ふんふん。軽く焦げ目が出来た。で、生クリームさんは?どこだったかな。
「おーい。由起子さん」
 手元に呼んで聞く。
「え?ブリュレを作らなくなったので、生クリームはないですよ。買ってきましょうか?」
 またまた、マイペースの由起子さん。どこに生クリーム売ってるねん。

テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。