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教員Aその187

「あれ、先生。しょんぼりしてるね。あ、私たち悲しんでないんで淋しいん?」
「……」
「うちらも淋しいんよ。でも、先生、いっつも言ってるでしょ。前見とけ。後ろ見るな」
「……」
「そうそう、だから決まったことは、しゃーないやん。先生、そうや、辞めて何するん?聞かなかったのでしょげてるん?」
「……」
「そうや。辞めてどこ行くん?女子高こりたん?」
「……」
「ねーねー、何か言って。聞いたげるから」
 聞いたげる、か、ら…か。どちらが教員かわかったものではない。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

うなぎ釣り

 7月29日の火曜日から30日の水曜日まで徳島の日和佐川にウナギ釣りに行ってまいりました。総勢9名。あいにく雨、水量多く危険と判断し、中止。川に着いたのが午後1時前。お腹がすいたので阿波海南の和(やわらぎ)という居酒屋さんにランチ。とんかつ定食が有名。期待せずに行くもなかなかのお店でした。生ビール、合格。お突き出しの落花生が抜群にうまい。カツオのお刺身はいけてなかったですが、アジはそこそこ。お代わりを言うと、市場まで買いに行ってくれました。のどかです。阿波尾鶏の塩焼きとから揚げをいただきました。ブランド物にしては平凡な味わい。阿波尾鶏にもランクがあるのかもしれません。
 夜は徳島市内の「いろりあん」。毎年お世話になっております。鹿のモモのお刺身を食せたのはラッキーでした。鱧のタタキはお代わりしてしまいました。これが終わってもう一人参加。大阪からバスで来られました。バーを2件回って、最後はタライうどんを2玉。酔っ払いはおそろしい。食べすぎどす。
 次の日のランチは虎屋さん。おでんでんという日本酒作りの基地的な日本料理店です。佐那河内にあります。ごま豆腐、アナゴを巻いたごぼう、ジャガイモの千切りにごまたれ、鮎の寿司笹の葉巻き、鮑と鱧オクラの真薯、鱧のお刺身薄造り。で、いよいよ高知県の安田川の鮎が出て参りました。毎年、岐阜の馬瀬川の鮎ですが、今年は川が濁って入手できなかったとの事。ここで虎屋さんの自家製ペールエールビールと自家製日本酒。冬瓜の中に近場の天然スッポンとスッポンの卵を入れて蒸したの。すっぽんはこの近くで取れた物です。この時期によく取れるそうです。続いて勝浦の天然ウナギ。これは大将がご自分で釣ってきたうなぎです。我々のうなぎ釣りの失敗を見越されたか。ごはん、お漬け物、夏みかんのゼリー、羊羹、抹茶。お腹いっぱい。交通費ホテル代飲食あわせて36000円。運転手のM嬢、M氏、ありがとうございました。

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教員Aその186

 2月も終わろうとするころ、私はホームルームの時間、この学校を辞める事を伝えた。
「えー」
 全員が驚く。と同時に笑い出す子もいた。
「お別れ会しよー」
「そうそう」
「どこでしよう」
「やっぱり姫路の駅前がいいな」
「私、ハンバーグがいい」
「反対。お寿司にしよう」
「反対。焼肉がいい」
「26人入れるお寿司屋さんはないと思います」
「そう思います」
「焼肉は嫌いです」
「私も嫌いです」
「中華はどう?」
「賛成。中華がいいと思います」
「それがいいと思います」
 普通、次の学年の担任が誰になるか心配するだろう。この子たちはお別れ会の会場の心配をしている。本当に高校2年生か。

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教員Aその185

「高山ねー。大物ではないな」
 私が一通りの説明をすると宇崎先生はややがっかりしたようすでしゃべった。
「いいよ。一通りの仕事を片付けたら、東京へ帰るよ。マネージャーも見つけたし…」
「帰られますか」
「あぁ、大阪はもういいよ。力になるといってはそれっきりの連中。電話をしても出てこない。みんな、距離をもって近づいてこなくなった。口先だけだ」
「……」
「君は学校を続けるんだろう?」
「いえ、まぁ、それはゆっくり考えます」
「そうか、東京でまた会おう」
 宇崎先生、気持ちは完全に切れていた。しかし、自分が作ったオーケストラを解散する気はないようだ。ビスタフィルは何らかの形で継続していくのだろう。
 そろそろ私は気持ちを日乃日乃学園に切り替えなければならない。学年末まで授業と担任をきっちり全うしよう。一番気がかりな京都芸大を受験する声楽の子は、追い込みに入っている。集中力を私も保たないと危険だ。私は今回の騒動に何も役立たなかった。しかし、将来、自分の人生においてプラスになるような気がする。

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教員Aその184

「で?私どもに何か?」
 名詞の交換の後の質問。手紙に書いた内容をもう一度言う。
「確かに宇崎先生とそのオーケストラに弊社はいくらかの援助をさせていただいております。しかし、私どもは、団体に援助させていただいてると認識している次第でございます。宇崎先生個人に対して援助させていただいるとは考えておりません」
「しかし、団体で演奏しても中身は宇崎先生の音楽。しかもビスタフィルは彼の私設オーケストラといっても良いでしょう。つまり団体へ、とおっしゃられても、個人に対して…」
「よろしゅうございますか。弊社の取引先でも、社長の交代劇など日常茶飯事なのでございます。トップが解任されたといって、今までの取引をやめるわけにはまいりません。おわかりになりますか?組織と組織のお付き合いとはそういうものでございます」
 ここで、高山氏はちらちらと自分の腕時計を見だした。腕時計を見た後こちらの顔を見る。それを何度も繰り返す。秘書とあらかじめ決めてあった回答を言った以上、早く帰ってくれとの信号か。
『ふっ。四面楚歌。東京帰るか…』 
 オーケストラの連中は、宇崎先生の下で演奏したくないと言っている。しかし連中は解散は望んでいない。ヨントリーは、組織が継続する以上援助は続ける、とのスタンスを今日示した。気が重いがその足で宇崎先生のマンションへ向かった。

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  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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