AX

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

小学校の思い出外伝 初体験

 透明なプラスティック。青色と緑色があります。端っこに支点があってカミソリは出たり入ったりします。私は手にとって見ていました。
「泉、そんなに気に入ったなら持って帰ろう」
 横山は急に小さな声になりました。
「それは、泥棒?」
「お金が出来たらまた持ってくればいいのさ。とりあえず…。な。俺が持って出てやる」
 横山は右手を出して陳列してあるカミソリを手にとろうとしました。
「待って。横山くん。待って…」
 私はそう言って自分が手に持っているカミソリをズボンのポケットに入れました。
 二人はそのまま静かに文房具屋さんを出ました。
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

小学校の思い出外伝 きれい

「泉は買い物するのか?」
 文房具屋さんの中で横山がたずねます。
「いいや、見てるだけ…、見るだけで面白い」
「ちぇ、しけてんなぁ。何か買うのかと思ったよ」
「買いたいんだけど、買ったら怒られそうだし…」
「え?何を買いたい?何で怒られる?」
「この、ナイフと言うかカミソリと言うか…」
「買えば?怒られる?何で?」
「なんとなく、親に見つかるとしかられそうな…、危ないと言われそうだし…」
「馬鹿だなぁ。黙ってればいいやん」
 黙ってればと言われてもなぁ。
「うわ、50円もするのか、泉は金持ちだなぁ」
「ちゃうちゃう。さっきも言ったように買いたいけど見てるだけ。このカミソリはきれいだね」

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

小学校の思い出外伝 カミソリ

 それは、折りたたみ式のカミソリです。しっかりしたタイプではなくペラペラのヒゲそり用のカミソリがはさんでありました。欲しいと思っても実際にアトムの時のように買おうとはせず、陳列されているカミソリをながめているだけでした。
 私は小学校からはいつも一人で帰ります。たまに、帰る方向が一緒の級友と並んで歩く時があります。その日は横山が付いてきました。
「文房具屋さんに寄りたい…」
「おう、つきあってやるよ」
横山は大人びた言葉遣いをします。

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

小学校の思い出外伝 品揃え

 アトムのプラモデルを作ったのをきっかけに文房具屋さんの店内によく入るようになりました。それまではショウケースに並べられているものを外からながめて歩くだけでした。必要な物は小学校の購買にあったし学校以外で文房具を買う用事がまずなかったからです。
 そのお店は狭くて暗い文房具屋さんでした。ノート類、筆記用具、そしてプラモデルが所狭しと並んでいます。買いもしないのに見ているだけで面白い。何回か通っているうちに目に付いて欲しくなった物があります。

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

小学校の思い出外伝 シンナー

 漢字の多い設計図ですべてを把握するのは不可能です。が、あれとこれをくっつけて、という矢印を理解すればなんとか組み立てることが出来そうです。
 小さな歯磨きのようなチューブにボンドが入ってます。ふたを開けるとシンナーの匂い。3輪型のミゼットの排気口から出る匂いに似ています。あのにおいを嗅ぎたくてミゼットの後をちょくちょく追いかけました。ほとんどの道路は舗装されておらず、バタバタというエンジン音と黒い煙、それに混ざった道路の砂ぼこり。石につまずいたり砂に滑ったり、よくひざをすりむいたものです。
 組み立ては思ったより短い時間で出来ました。最後に色を塗れと書いてあります。さすがにそこまではする気はなく、組み立てられた肌色だけのアトムを見て満足しました。

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
最近の記事
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。