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バー物語(フィクション)№184

 サムの流れ者屋もトップウイン同様、ギリギリ震災から助かった口だ。私の店から北にある北口商店街と北口市場は全滅。かろうじて新北口市場が『危険に付き立ち入り禁止』の看板は出ているものの、全壊まではいっていなくて、数店舗細々と営業していた。吾妻寿司、CBCBもかろうじて助かっていた。
 5月に入るとほとんどの壊れた建物が撤去されて空き地が目立つようになる。流れ者屋の建物はさえぎるものがなくなって非常に目立つようになった。サムは壁に絵を書き始めた。大きなクジラ。活き活きとしたクジラが壁一面に描き出されている。1階と2階のつながった壁なので相当目立つ。
 「サムさん、絵、お上手ですね」
 はしごに乗ってペンキを塗っているサムに声をかけた。
 「おう、マスター。今日は天気がよくって暑いくらいだ」
 空を見上げた。青くきれい。秋晴れのような春の日中。初夏といってもいいくらいの陽気だ。
 「クジラのほかに何か書くんですか」
 「セリフをね。クジラにセリフを言わせるんだ」
 クジラにセリフ?どういう風な文句か想像つかないが、絵を描いているサムは料理をしている時より輝いて見える。酔っ払ってうだうだ言うサムとは別人だ。
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テーマ : 連載小説
ジャンル : 小説・文学

シータ・カマラ(カレー・阪神西宮)

 戸田町の鳴尾御影線沿いにあります。ランチとディナー両方開いてます。ランチは800円とリーズナブル。2種類あります。カレー2品をチョイスするカレーたっぷりセットか、カレーは1種類ですがココナッツミルクアイスとチャイのデザートが付いてるセット。甘党の私はデザート付きのセットを選びました。お客様が少ないと美人のママがお話の相手をしてくださいます。スパイスの効いた本格派のカレーなので好き嫌いは分かれるでしょう。西宮北口にはデリーキッチンというおいしいカレー屋さんがあります。デリーキッチンはナン中心、シータ・カマラさんはターメリックライス中心の違いがあります。私は戸田町に用事があるときには必ずシータ・カマラさんに寄ります。

テーマ : カレー
ジャンル : グルメ

バー物語(フィクション)№183

 しばらくしてサムは選挙用のポスターの下刷りを持ってきた。
 「選挙に出る事は決めたで。で、客の大林に作らせたんや。どや」
 私はそのポスターをみてうなった。かっこいいというか衝撃的というか。よくある顔写真が載っていて抱負と名前が載っている平凡なポスターとはまったく違う。地震直後の瓦礫の山の中で小さなサムの全身が写っている。あわれ、悲しみ、諦めがそのポスターからにじんでいた。テーマが泣かせる。
 『ここからはじめましょ』
 被災地のど真ん中から立候補するにふさわしい出来栄えだと思った。
 「サムちゃーん。いい?」
 かわいい20才位の女の子が入ってきた。サムの知り合いらしい。
 「おお、さちよか入れ入れ」
 「こんばんは。シーバスの水割りちょうだい」
 さちよさんはにこにこ笑いながらポスターを見ている。
 「さむちゃんってわからないね。写真が小さくて。でもかっこいいね。さむちゃん、何か拾ってるの?ごみ?ふふふふ」
 さちよさんは明るい性格らしい。サムのややすねたような暗さとは対照的だ。
 「恋人ですか?サムさん」
 冗談のつもりで訪ねた。
 「そう」
 二人同時に返事が返ってきた。
 『なにぃ?こんなじじいにこんな若くてきれいな娘がぁ?』

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

バー物語(フィクション)№182

 震災のあおりで4月に西宮市市会議員選挙がおこなわれずに6月に実施されることになった。選挙より復興に力を入れようとしたのか、選挙を出来るような環境ではなかったのか。
 「マスター、西宮市会議員選挙、一緒に出ーへんか」
 サムが剣菱を飲みながら私に語りだした。
 「マスター、このままでええの?公団がこのあたりに入り込んできて自分たちが思うような街づくりがでけへんのちゃう?」
 「マスター、何で返事せーへんの」
 サムは自分の店ですでに飲んできたらしくあまりまわらない口調でしゃべる。まさか、私が市会議員。ありえない。
 「サムさん。お任せします。当選して活躍なさってくださいな」
 「おうよ。この辺のみんなの代表になって議会であばれたるねん」
 はたして本当にサムが市会議員になったら…。想像できない。まじめに議員ができるのか。
 「俺な、マスター。高校の時から世の中の矛盾にいっぱい疑問を感じて生きてきてん。だから…」
 だから、高校卒業まじかに学生運動であばれて、留置所に入れられて青丸先生に助けられたんだったな。

大阪焼酎でっせ2006

今回で4回目の焼酎でっせ。毎年開催されています。九州と沖縄の蔵元さん25蔵の参加、一般参加400名の大規模なパーティーです。九州に行ってお邪魔させていただいた川越さん、大海さん、田村さん、万膳さん、村尾さん。なつかしいお顔も拝見できました。4年前といえばまさに焼酎ブームが頂点に向かって登り調子の真っ最中。現在は異常なブームも沈静化され、本物、本当に美味しい焼酎が残って行く流れとなっています。会場は蔵元さんと参加者全員の熱気が冷める事なくお開きになりました。これからも桜咲くころとpiano bar TOP WINは時代の流行りに流される事なく、面白いを提供し続ける店でありたいと思い会場を後にしました。
プロフィール

higemaster

  • Author:higemaster
  • 桜咲くころ=淡路島の地鶏焼きをメインに熊本直送馬刺し、鹿児島の親鶏、黒毛和牛のてっちゃん、ほか、おいしい一品料理を楽しめます。また、日本酒、焼酎、ワインがリーズナブルに楽しめます。
    ピアノバー・トップウイン=1935年製の古いスタインウェイのグランドピアノがたまに鳴ります。ワインを中心にカクテル、シングルモルト、日本酒、焼酎等できるだけ品質の高いお飲みものをそろえるように努力いたしております。
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